
みなさんが「掃除は大変だ」と思う理由は何でしょうか。
“やってもやっても永遠に終わらない”
“散らかりすぎていて何から手を付けたらよいのか分からない”
“掃除をする意欲が湧いてこない”
掃除にまつわるこうした悩みは、なかなか尽きないものです。
掃除とは何かという基本に立ち返って見ると、その目標は“生活環境を整え、心の安定感を得る”ことでした。
最初から掃除を毛嫌いしていては、なかなか重い腰は上がりません。
そこで掃除をラクに行うために、考え方をシンプルにしてみましょう。
それは、“物はあるべき場所にしまう“ということです。
「それって普通じゃない?」と思う方はどれだけいるでしょうか。
おそらく大部分の人が同じように感じることでしょう。
しかし、物をあるべき場所にしまい、整理整頓が行き届いているご家庭は意外と少ないはずです。
子ども達がおもちゃを引っ張り出し、部屋の隅には人形やミニカーが常時置き去りにされている、脱ぎっぱなしのパジャマがソファでとぐろを巻いているなど、あるべき場所に収納されないモノたちは、あなたのご自宅にありませんか。
掃除がやってもやっても終わらないのは、目に見えるモノたちがあちらこちらに散乱し、片付けに翻弄されるために気が遠くなることも大きな原因です。
“ものはあるべき場所にしまう”
このシンプルな考え方を意識するだけで、掃除の捗り方も大きく変わるはずです。
楽チンの追求

掃除は“ついでに”という感覚を持つことで、面倒事からラクな作業へと早変わりします。
例えば
“駅に行くついでにポストにはがきを出した”とあれば、はがきを出す行動は苦ではありません。
はがきだけを投函するためにポストへ向かうのは億劫でも、ついでに終わるならば話は早いものです。
掃除も同じであり、
何かのついでにながら作業として終えることができれば、
日々の掃除も楽に感じられます。
油料理を終え、電子レンジなどを使う数分の隙間時間に、アルコールを吹きかけササっと汚れた箇所を拭けばどうでしょう。
コンロ周りの掃除は1分も経たずに終え、こびりつきや厄介なギトギト汚れと格闘せずに済むのです。
汚れはつき始めが最もよく落ちるため、可能な限り早めに対処を施し、
のちに労力を使わないよう努めるのも覚えておきたいテクニックです。
食器洗いのついでにシンク内の掃除、入浴ついでに床の角をブラッシング、
テレビCMの隙間時間にテレビ台や家具の埃を除去するなど、
数十秒で終わる掃除を実践することで、適度な清潔を継続的に保ちながら、
省力掃除が実現します。
清掃箇所の見える化

「何から始めれば良いのか分からない」という悩ましい気持ちは、清掃箇所の見える化で払拭していきましょう。
キレイを追求するあまり、やらなければならないという焦りで一杯になってしまっては長続きしません。
清掃箇所を見える化しタスク分けしていくと、計画的に進められキレイが維持できます。
清掃箇所の見える化は、1枚の表で簡単に作ることができます。
記述することは以下の通りです。
・清掃箇所の名前(トイレ・浴室・エアコン・加湿器など)
・ストレスを感じやすい場所、適切な清掃道具や洗剤が分からない場所
・問題に対する解決策
(トイレには酸性洗剤・カビには食品用ラップフィルム(サランラップなど)のパッキングが有効など)
・”ながら作業”や”ついで作業”でできる掃除(家具の埃除去・加湿器の水を補給など)
・かかる時間(15分以下で設定するとモチベーション維持に効果的)
・週1清掃する場所(玄関掃除・洗濯機のフィルター掃除など)
・月1清掃する場所(ベランダ掃除・冷蔵庫掃除など)
・家族に手伝ってもらう清掃箇所(クローゼット内の掃除・子ども部屋掃除など)
・優先順位(低・中・高と清掃箇所にランク付け)

これらの項目を表にしてに並べ、問題点を洗い出し、解決への改善策をリスト化すると、やるべきことが浮かび上がってきます。
感覚的に「やらなくては」と思うのではなく、
「今日はこれだけやって終えよう」と明確に目標立てることで、メリハリがつきやすくなります。
掃除の見える化は、短時間を意識して行うこともポイントです。
もし短時間で終えない作業であったならば、その箇所は週に1度の清掃で良しとします。
他にも、月に1度だけいつもより念入りにお手入れをするなど、
自分の労力を軽減するための解決策を探していきましょう。
掃除=ストレスでは、時間も体力も無駄にしているようで気持ちも晴れません。
1日のなかで1つ、2つのタスクを終えれば十分というように、
掃除に区切りをつけて進めることで、達成感や満足感を得ることを目標にしていきましょう。
余力を持たせる
清掃箇所の見える化は、ポイントごとに細分化することもできます。
例えば“浴室→浴槽の蓋のみ”など細かく設定すれば、
掃除のハードルも下がり余力を残したまま作業をこなせるでしょう。
細かな道具の多い浴室では、水あかやカビ菌など手強い汚れが見られる場所です。
短い時間で集中的に1つの対象物をきれいにできれば、それだけで十分です。
キレイを保つためには持続力が重要であり、余力を残して翌日の掃時に取り組むルーティンを作ることはとても大切です。
「今日はお風呂の床掃除をしたから、明日は軽めのバストイだけにしよう」など、気楽に進めていくことこそが、整う習慣に繋がっていきます。
掃除は義務化されたものではなく、ラクな方法でシンプルに行う家事です。
1人ですべての負担を負うのではなく、家族にも協力を求め、
片付けることの楽しさや大変さをみんなで共有できれば、
さらに意味のある時間となるでしょう。