Lesson2-3  1日5分ルール

前回のページでは、掃除についてのシンプルな考え方について学びました。

こちらのページでは具体的に、”掃除がラクになるルール”を学んでいきます。

少しの工夫と視点を変えることで、掃除に対するプレッシャーを軽減していきましょう。

共働き・ハードワーク・育児・介護など目まぐるしい日々の生活に追われ、
掃除に手が回らない家庭は多いものです。

“掃除はしたいけれど本当に時間が足りない”

そうした悲鳴は多方面から聞こえてくる悩みであり、掃除時間の捻出が厳しい現実は確かにあります。

共働きにより家事に費やす時間が確保できない子育て夫婦にとっては、朝から晩まで見直してみてもお掃除タイムを作ることは難しいでしょう。

しかし、片付けられないままの部屋では居心地も悪く、どうにかしなければと焦る気持ちもまたストレスです。

そこでオススメなのは、“1日5分ルール”を試してみることです。

朝目覚めてコーヒーのお湯を沸かす数分の間に寝室のお手入れができたなら、その日の掃除は終了です。

寝室は髪の毛や塵、埃が溜まりやすいスペースであり、
放置を続けると気づいた時には大きな綿埃となり、部屋の隅でまとまり落ちています。

この綿埃を顕微鏡で拡大してみると、そこには衣類や布団から出る繊維クズだけでなく、髪の毛やペットの抜け毛、ふけや垢などの皮脂が複雑に絡み合っています。

恐ろしいのは、埃中にウイルスや菌が付着している点であり、花粉や土も混ざり合うことでハウスダストなどの問題が引き起こされます。

こうした汚れは、できれば毎日こまめに取り除きたいものです。

そこで、忙しい中でも対処できる方法として、1日5分ルールを試していきましょう。
ながら掃除やついで掃除といった気楽な掃除術を実践することも1つの手段ですが、掃除用具の保管場所を工夫したり物の配置を意識するだけでも効果的です。

清掃道具と物の配置

例えば5分間でフローリングを掃除するためには、
どのような道具を使いどのような要領で部屋全体を清掃していけば効率的でしょうか。

手にする道具は“掃除機”と“フローリングワイパー”の2点です。
この2つのアイテムは同じタイミングで使用することが多いため、
それぞれをセットにして収納しておくと無駄な動きがなく、素早く清掃に取り掛かることができます。

掃除機は、フローリングの目に沿って大きな塵埃を吸引し、
掃除機で取り切れなかった小さな埃は、仕上げのフローリングワイパーで除去していきます。

このときのお手軽ポイントとしては、ドライタイプのシートを使うことです。

ウェットタイプのシートでは床に筋がつきやすく再び塵や埃が集まってきてしまうため、せっかくの掃除もスッキリ感を感じづらい仕上がりになってしまいます。

ドライタイプは細かな埃や塵を絡めとり、髪の毛や繊維質も吸着してくれるため、掃除機と一緒に使うと効果抜群の掃除グッズです。

床掃除は週に2、3回行えれば良いものとし、出かける前や帰宅後の5分で済ませます。
すると気持ちも晴れ晴れとし、清潔な部屋に安堵を覚えるでしょう。

さらに、家具や生活備品は平行、もしくは直角に並べると統一感が高まり、整理整頓が行き届いている印象を受けます。

物の置き方だけでも工夫をすると、家じゅうが整然とされたようで心地よい空間の演出ができます

1日5分ルールでどれだけの事ができるのかなどの具体例は、Lesson8-2でまたしっかりと学びます。

空気の通り道

家全体をリフレッシュさせる方法は、10秒でできることを知っていますか?
それは窓開け換気です。

家は気密性が高く空気が滞留するため、換気不足でいると湿気が溜まりカビの発生を促してしまいます。
冬の寒い時期では窓を開けるタイミングを失いがちですが、換気は新鮮な空気を取り込み、気分も爽快にするものとして毎朝の習慣にしたいところです。

換気を行う際に押さえておきたいポイントは、室内に空気の通り道を作ることです。
全ての窓を開け空気の入れ替えを行うのがベストですが、忙しい朝に全室周るのは大変です。

そんな時はお手軽な換気方法として、対角線上にある2か所の窓を開けるようにしましょう。

空気の出入り口を用意し風の流れをつくりだすことで、留まっていた空気を外に流すことができます。

家庭により窓の配置は様々であり、部屋によっては換気する術がないケースもあります。
そんな時には以下のポイントを踏まえて換気するようにしましょう。

Point1. 部屋の中の対角線上の窓を開けて空気の通り道をつくる
Point2. 近い窓を開けた場合には空気の流れが生まれず、効率的な換気ができないので気をつける
Point3. 空気の入り口となる窓を細く開け、出口の窓を全開にする
    (風や空気の性質により風の通りが良くなる)

部屋全体の換気:

部屋の中で対角線上にある2つの窓に加え、途中にある部屋のドアと窓も数か所開けます。
ベランダに面した大きめの窓は必ず開け、同時に日差しも取り込むようにすると空間の明るさも増し気分も爽快になるでしょう。

窓がない部屋の換気:

扇風機またはサーキュレーターをドア付近に設置し、空気の流れをつくり出します。
他の部屋に設置の換気扇(キッチンやバスルームなど)と併用することで空気が流れ動くため、効率的な換気が行えます。

空気清浄機やエアコンの送風機能は、空気が循環する効果はあっても換気とは全く異なるため、空気を入れ替えるつもりで対応しましょう。

目安の換気時間:

窓開け換気の理想時間と回数は、1時間に5分から10分程度と言われています。

より効果的な換気が期待できる方法として、
1時間に10分換気よりも1時間に5分を2回というように、
回数を増やす方が汚れた空気の排出には有効です。

窓開け換気は花粉の飛散シーズンも必要です。
環境省の研究発表によると、3LDKのマンション1戸で窓を1時間程度全開にして換気を行ったところ、侵入してきた花粉の数は約1000万個だったと言います。

対策として、窓を10cm程度開きレースのカーテンを設置すれば、その数は4分の1に減ることもわかっています。
窓脇に空気清浄機を用意するなども有効であり、健康を重視した換気方法も忘れずに実践していきましょう。