前回のページでは、合成洗剤とナチュラル洗剤の特性を整理し知識を深めてきました。
こちらのページは合成洗剤について学んでいきます。
洗剤の液性とその特徴、またどのような場所に適するのかなどを確認していきましょう。
合成洗剤の種類

【アルカリ性洗剤】・・・マジックリン台所用洗剤(花王)など
♦用途:シンク・調理台・網戸のべたべた汚れ・手あかなど
アルカリ性洗剤の特徴は、脂溶性の汚れに強い点です。
油は酸性であり、アルカリ性が酸性と正反対の性質を持つことから、混合することで中和作用が起こります。
キッチン回りの頑固汚れや五徳などの焦げ付き、テレビや鏡に付着した皮脂汚れの除去などに適しており、部屋の全体で使用できる優れものです。
【酸性洗剤】・・・トイレ用洗剤サンポ―ル(サンポ―ル)・トイレのルック(ライオン)など
♦用途:鏡・水洗器具(カランや水あか、ステンレスのくもりなど)
IHクッキングヒーター・調理器具の焦げ付き
尿石汚れ ・窓のくもり(外側)など
アルカリ性の汚れを浮かし分解するのが酸性洗剤です。
アルカリ性の石鹸カスや水あか、尿石、アンモニア臭を撃退する際に効果的です。
また酸性洗剤はトイレ周りの汚れにも適しており、生ごみの嫌な臭いを打ち消す効力もあります。
※塩素系洗剤との併用不可
【塩素系漂白剤】・・・キッチンハイター(花王)・カビキラー(ジョンソン)など
♦用途:浴室・浴室天井・目地・パッキン・浴室カビ・浴室の壁・浴室の床
排水溝・便器・収納スペースやカーテン裾のカビ
ウッドデッキのカビやコケなど
漂白作用や殺菌作用の高さにより、活用場面も多いのが塩素系漂白剤です。
次亜塩素酸ナトリウムを主成分としており、カビ取り剤としても効力を発揮します。
カビやバクテリアは人体に多大な影響を及ぼす汚れです。
殺菌力の強い塩素系漂白剤を用いることでその根から除去し、また汚れの発生を予防するためにも使用することができます。
※酸性洗剤との併用不可
【酸素系漂白剤】・・・オキシクリーン(グラフィコ社)・ワイドマジックリン(花王)など
♦用途:浴槽・浴用小物(椅子や洗面器、こどものおもちゃなど)
換気扇・五徳・シンク・金属系小物・リビングや寝室の壁の黒ずみ
玄関のたたき
塩素系漂白剤に比べやや効力は弱いものの、液体と粉末の両方で使い分けが可能であり、用途別に洗浄できる漂白剤です。
便利なだけでなく、失敗のなさも安心材料の1つでしょう。
衣料用漂白剤で用いられる液体タイプは、色柄ものの洋服に使用可能であり、防臭効果の持続も1つのメリットです。
粉末タイプは40度から50度のお湯で溶かし使用すると、洗浄効果が高まります。細かな泡の洗浄力が汚れを剥がし、気になるシンクの黒ずみや料理道具の焦げ付き、茶しぶまでも除去してくれます。
汚れの種類と掃除のタイミング

汚れはおおまかに3種類に大別することができます。
- 酸性汚れ(油汚れ)
- アルカリ性汚れ(水あか汚れ)
- カビ汚れ(バクテリアや細菌)
これらはどれも厄介な汚れですが、洗剤との相性により瞬く間に綺麗にすることができます。
酸性汚れにはアルカリ性洗剤を、アルカリ性汚れには酸性洗剤をという具合に、清掃箇所に応じた洗浄剤を活用することを基本とし、液性を加味して掃除することが大切です。
ここで合成洗剤を使うにあたり、もう一つ知っておきたい掃除術があります。それは、”掃除の適温”を知ることです。
化学の力で汚れを対処しようとすればそれなりの効果は得られますが、
時として思うように磨きあがらないという失敗は誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
それは、もしかすると気温や温度に原因があったのかもしれません。
汚れ落としには、効果的なタイミングや時期があります。
例えばキッチン周りの油汚れは、
固まってしまうと頑固汚れとなり落とすのに手間がかかりますが、
料理直後の温かな気温と蒸気が立ち込める環境だと、油を浮かせ、掃除を行うのに適した状況になっているのです。
Lesson5では、蒸気を利用したお手軽掃除方法についてより詳しく解説します。
適当な洗剤+掃除に適した環境を知ることで、労力のかからない楽な掃除を行っていきましょう。
