Lesson5-2 キッチン掃除

キッチン掃除3つのカテゴリ化

キッチンを掃除するにあたり、まずは掃除箇所をカテゴリ化していきましょう。1日1カ所と限定して日替わりで掃除を行えば、プレッシャーもかからず、ながら作業や時短で作業ができ、継続にも繋がるでしょう。

①ガス台周辺②シンク内③調理家電と大きく分けて、場所ごとにキレイをよみがえらせましょう。

①ガス台周辺

<汚れポイント>

コンロの壁・コンロまわりの戸棚・コンロまわりの小物・五徳・魚用グリルの換気口

【道具と洗浄剤】

スポンジ・雑巾(水ぶき用・乾拭き用)・使用済み歯ブラシ・キッチンペーパー重曹・セスキ・過炭酸ナトリウム・液体せっけん

■コンロまわりの壁・戸棚・小物

<洗剤:重曹スプレー・セスキ炭酸ソーダ>

ガス台周辺でまず着手をする場所は、コンロの壁や戸棚、そしてコンロ付近に置かれる小物類です。
掃除は上から下へが基本であり、コンロより上に位置する壁や戸棚から対処することで、あとから埃やごみが舞い落ちてくることを防ぎます。

効果的なお掃除手順

①コンロの壁、戸棚、小物類に重曹スプレー(重曹小さじ1/2:40℃のお湯1カップ)を吹きかける。
②汚れが目立つコンロ壁や戸棚は、重曹スプレーをした上から重曹水を浸したキッチンペーパーを貼り付け、油汚れを浮かす。
③2~3分待ち、水拭き用の雑巾で汚れを拭き取る。固着した汚れにはセスキ水(セスキ炭酸ソーダ小さじ1/2:水500ml)をスプレーし、使用済み歯ブラシで汚れをこすり取る。

お掃除のコツ

◆スプレーは液だれするため、雑巾をすぐ下で構え、液だれによる汚れ跡が残ることを防ぎましょう。

◆水や洗剤を含んだ水拭き掃除は、汚れた水が下に落ちないよう下から上へ向かって”コの字”を書くように進めます。

お掃除ワンポイント

壁や戸棚に付着した油汚れのお掃除ポイントは、重曹水のパッキングです。
発泡作用が汚れを浮かし緩めたところを水ぶきすると、スルリと気持ちの良い汚れ落としができます。

■五徳・魚用グリルの換気口 

<洗剤:過炭酸ナトリウム・液体せっけん>

五徳やグリルにこびりついた頑固汚れは、重曹水やセスキ水のスプレーだけでは対処できない場合があります。
しかしこれらの箇所はパーツごとに洗えるというメリットがあるため、効果的な洗剤と合わせることでしっかりと洗浄していきましょう。

煮洗いやつけ置き洗いでまとめてお掃除すると、時短で仕上げる事ができます。(下記はつけ置き洗いの洗浄方法)

効果的なお掃除手順

①台所のシンクを使うため排水口にフタをする。(フタが無い場合はビニール袋で代用可)
②部品がすべて浸かる程度のお湯をため、部品を入れたあとに過炭酸ナトリウムを大さじ3加える。
③液体せっけん大さじ1を加えお湯が冷めるまで放置。発泡作用で汚れが浮いてくるのを待つ。
④落ちない汚れは、重曹の粉末をふりかけスポンジや歯ブラシでこする。

お掃除のコツ

◆過炭酸ナトリウムはアルカリ性のため、油汚れに効果的であるとともにつけ置くだけで除菌作用もあります。こうした作用を有効に活かすためにも、温度の高いお湯を用意しましょう。(50℃前後が理想

◆より手軽に掃除をする場合は、五徳や魚用グリルに重曹の粉末を振りかけ、その上から熱湯をかけます。汚れが緩み浮き上がるのを待ち、ブラシやスポンジで油汚れをこすり落とす方法もあります。

お掃除ワンポイント

油が固着した五徳やグリルの換気口は触れるのもためらわれますが、過炭酸ナトリウムの発泡作用が汚れ落としをスムーズにしてくれます。
一方で、料理後に飛び散った油をふき取る習慣が身につけば、頑固なギトギト汚れと戦うこともなくなるため、コンロ周りは汚れを溜めないよう、日々のこまめな掃除こそが楽チン掃除に繋がります。

②シンク内

<汚れポイント>

蛇口・シンク・排水口・パイプクリーニング

【道具と洗浄剤】

マイクロファイバークロス・スポンジ・ソフト・ハード両用ブラシ・古歯ブラシ重曹・クエン酸・アルカリ性洗剤・塩素系漂白剤

■蛇口・シンク 

<洗剤:クエン酸・重曹>

蛇口やシンクの主な汚れはアルカリ性の水あかであり、クエン酸で対処を行います。またシンクの食品汚れ・油汚れには重曹を使用します。
クエン酸の液性は酸性であることから、洗浄剤がきちんと洗い流されなければ金属を傷める原因になります。そのため、掃除後は洗剤を残さないよう仕上げていきましょう。
また、酸性洗剤と塩素系洗浄剤との併用は塩素ガスの発生を引き起こすため、細心の注意を払いましょう。

効果的なお掃除手順

①重曹をシンク全体に振りかけ、ステンレスの目に沿ってスポンジでこする。
②水あかが気になる場所にクエン酸水(クエン酸小さじ1.5:水1カップ)をスプレーする。
③水あかが結晶化した部分はキッチンペーパーで覆い、上から再度クエン酸水スプレーをかけパッキングを行う。
④5分後にキッチンペーパーを外し、水でしぼった雑巾で水分を拭き取った後にマイクロファイバークロスでステンレス部分を磨き上げる。

お掃除のコツ

◆軽度の水あか汚れは、メラミンスポンジで一方向にこすればきれいに磨くことができます。

◆マイクロファイバークロスで仕上げることで、ステンレス部分をピカピカに光らせ仕上げる事ができます。

◆蛇口の裏側やカランとの境目は黒ずみ汚れが溜まりやすいため、アルカリ性洗剤を使いつつソフト・ハード両用ブラシでこすり落としましょう。

■排水口とパイプクリーニング 

<洗剤:塩素系漂白剤>

排水口やパイプ汚れの原因は、食品や油汚れが起因する雑菌です。
放置すれば細菌は繁殖を続け、不快な臭いを放つと同時に
ヌメリ汚れやヘドロのような塊となってトラブルを引き起こす事も考えられます。
殺菌力の高い塩素系漂白剤を使い、適切な分量の洗浄液をつくることで安全に掃除をしていきましょう。

効果的なお掃除手順

①洗浄液(塩素系漂白剤20ml:水200ml)を用意し、古歯ブラシを液に浸す。古歯ブラシで汚れ部分に液を塗り、残りの洗浄液を排水口にゆっくりと流し入れる。
②30分後水で勢い良く流すことで、汚れがスルっと剥がれ落ち除菌・消臭ともに完了

お掃除のコツ

◆塩素系漂白剤の臭いが苦手という方は、過炭酸ナトリウムで代用ができます。排水口にラップをかぶせ水をせき止めます。そこに過炭酸ナトリウム小さじ2を入れ、熱めのお湯を注ぎ発泡作用を促します。お湯が冷めたらラップを外し、最後に水を流して完了です。

◆排水口内にセットされるごみ受けやパーツのヌメリは、重曹水とクエン酸水の二刀流で対処可能です。ヌメリ部分に粉末の重曹を振りかけ5分待ちます。その後、クエン酸水スプレーをかけると泡立ちが見られ(汚れとの化学反応)、化学反応が見られなくなった後に温水で流せば汚れ落としは終了です。

お掃除ポイント

厄介な汚れも科学の力で楽に落とすことができます。
週に1回程度の排水口クリーニングで、キッチンに立つのも気持ちが良くなり、気になる臭い汚れと格闘するストレスもなくなります。
水回りの汚れは”浮かせて落とす”ことで、効果的なお掃除が期待できるのです。

③調理家電のお掃除

■電気ポット

汚れの種類:ポット内の底で見られる水あか汚れ

クエン酸小さじ5:水1ℓをポット内に入れスイッチを入れる。沸騰後3時間~一晩置き、その後水を全て捨てる。次に水のみで再沸騰させ、再び水を捨てるだけで水あか汚れ掃除の完了。

■電子レンジ

汚れの種類:油汚れ・食べ物汚れ・こびりつき汚れ

重曹水に浸したふきんを電子レンジに入れ、飛び散り固まった油分などをふやかすために60秒程度加熱する。扉を開け浮いた汚れをふきんで拭き取り、内側外側ともに掃除する。頑固な汚れはメラミンスポンジでこすり落とす。

■トースター

汚れの種類:油汚れ・食べ物汚れ・焦げつき

外せるパーツは外し軽度の汚れは洗剤で洗う。頑固な汚れには重曹パック(重曹水を染み込ませたキッチンペーパー)を施し、3時間放置したあとに拭き取る。それでも汚れが落ちない場合は、粉末状の重曹をパーツに直接振りかけスポンジでこすり落とす。

お掃除ポイント

調理家電の汚れは、①油汚れ②食べ物汚れ③水あか汚れの3種類が多く見受けられます。
①②には重曹、③にはクエン酸というように、汚れに対して効果の高い液性の洗剤を使用することで、確実な汚れ落としを狙っていきましょう。