Lesson5-3 バスルーム掃除

天井から壁、床といった平面に加え、排水口に小物類と、スペース全体の掃除が必要となるのがバスルームです。
広範囲に渡る作業を要するだけでなく、汚れの質もカビやヌメリなど厄介なので、なかなかお掃除に踏み切れない方もいるでしょう。

カビの胞子は体内に侵入すると、マイコプラズマ肺炎など人体に悪影響を及ぼすこともあるため、ポイントを抑えながら機能的かつ簡単に進めていきましょう

バスルーム掃除後の爽快感と達成感は、他のお掃除と比べても一際大きいですよ。

浴室天井・壁・床の掃除方法

白く清潔なように見える浴室の平面部分ですが、何もしなければ菌の温床となっており、目に見えないだけで浴室全体にカビの胞子が散っている可能性があります。
有効な洗剤を駆使し、まずは”掃除は上から下”というルールを思い出しつつ最初は天井のお手入れからスタートしましょう。

【道具と洗浄剤】

柄つきスポンジ(フロアモップ+ぞうきんでも可)・洗面器
塩素系漂白剤

効果的なお掃除手順 

①シャンプーやせっけん、おもちゃなどの小物は外に移動させる。
②洗面器に漂白剤を100倍の水で薄める。
③平面を乾いた状態にするため、結露や汚れが確認できる場合はしっかりと乾拭き雑巾で拭き取る。
③スポンジを洗浄液に浸し、天井→壁の順で塗り広げ、15~20分後にシャワーで洗い流す。

※床掃除の際は洗浄液の濃度を変えて作ります。塩素系漂白剤を10倍の水で薄め、スポンジで塗り広げていきます。20~30分放置した後シャワーで洗い流せば掃除完了です。

お掃除のコツ

◆天井や壁は結露や湯気でカビが繁殖しやすい環境のため、洗浄液をしっかりと平面に浸透させるようゆっくり塗り広げましょう。

◆カビは高温で不活性化するため、定期的に高温のシャワーをかけると予防対策に効果的です。

◆入浴後はスクイージーで水切りを行い、乾いたタオルで室内の水分を拭き取ると後の掃除が非常にラクになります。

目地カビ・パッキンの掃除方法

無数の黒いスポットが広がるバスルームの目地カビとパッキン汚れは、触るのもためらわれるほどであり精神衛生上も良いものではありません。
しかし、力技で掃除を行っても時間と労力だけが嵩み期待通りの効果は得られません。
正しい洗浄剤とパッキングを使った掃除方法で汚れを撃退していきましょう。

【道具と洗浄剤】

食品用ラップフィルム(サランラップなど)・キッチンペーパー・洗面器
塩素系漂白剤

効果的なお掃除手順

①洗面器に洗浄剤(塩素系漂白剤小さじ1:水500ml)を用意する。
②キッチンペーパーを洗浄液に浸し、目地やパッキン幅に合うようペーパーを細長い棒状にする。
③棒状になったキッチンペーパーをカビスポットを覆うようにのせ、上から食品用ラップフィルム(サランラップなど)をかぶせ密閉。蒸発を防ぎ、殺菌・漂白効果を促す。
④食品用ラップフィルム(サランラップなど)・キッチンペーパーを外し、洗浄剤の臭いが消えるまでシャワーで洗い流す。

お掃除のコツ

◆塩素系漂白剤を使用する際は必ず換気を行い、水以外のものと併用して使う事を避けましょう。

◆軽度の黒っぽい汚れは、粉状の重曹を振りかけブラシでこすれば汚れ落としが可能です。高濃度の漂白剤が苦手という方は、重曹ペースト(重曹大さじ2:水大さじ1)を代用することもできます。

◆黒カビは色素が濃いために、除菌が成功しても色素沈着を起こしている可能性があります。シミや変質に対しては、掃除術では対処できないという点も覚えておきましょう。

鏡・シャワー・カランの掃除方法

鏡や水洗器具で見られる水あか汚れはステンレス部分では悪目立ちし、くもりやうろこ状の跡となって浮き出てきます。
スポンジでこすってもなかなか落ちない水あか汚れですが、クエン酸を使って劇的に磨き上げることができます。
頑固な汚れにはパッキングを適用し、汚れの度合いに応じたワザを試していきましょう。

【道具と洗浄剤】

食品用ラップフィルム(サランラップなど)・キッチンペーパー・洗面器・乾拭き用ぞうきん・古歯ブラシ
クエン酸

効果的なお掃除手順

①カランやシャワーヘッドの隙間・溝にたまった汚れを、古歯ブラシで取り除く。
②結晶化した水あか部分にキッチンペーパーをあて、その上からクエン酸水(クエン酸小さじ1.5:水1カップ)をスプレーする。
③キッチンペーパーを食品用ラップフィルム(サランラップなど)で覆い、一晩置いた後に水で流し乾拭きを行う。

お掃除のコツ

水あかの原因は水道水に含まれるミネラル分であり、乾拭きの際にきちんと水分を取り切らなければ再び水あか汚れを引き起こします。濡れたぞうきんではなく、乾拭き用のぞうきんで仕上げを行いましょう。

◆シャワーヘッドの穴の周りで結晶化した水あかは、洗面器にクエン酸水を用意し1時間~一晩つけ置くだけで汚れをゆるめ、脱着させることができます。

◆キッチンペーパーを使ったパッキングは、密閉し洗浄剤を浸透させることがポイントであるため、隙間なくパックを施しましょう。

排水口の掃除方法

髪の毛やせっけんカス、その他ごみや汚れが溜まる排水口は、4つのポイントを抑えるだけでキレイにすることができます。
1日の疲れを癒しリフレッシュできる快適空間を守るため、汚れを溜めず除菌・消臭を実現していきましょう。

【道具と洗浄剤】

小さめのポリ袋・古歯ブラシ・メラミンスポンジ・洗面器
塩素系漂白剤

効果的なお掃除手順

①小さめのポリ袋を用意し、排水口ネットに溜まったゴミをまとめて取り除く。
②格子状になった排水口のフタや、その他外せる部品はすべて外しスポンジや古歯ブラシで汚れをこすり洗いする。
③洗面器に塩素系漂白剤(塩素系漂白剤小さじ1:水500ml)を用意し、取り外したパーツを15秒ほどつけ込み殺菌する。汚れがひどい場合には5分程度そのまま放置する。
④緩んだ汚れやヌメリを古歯ブラシでこすり落とす。
⑤各部品をもとの場所にもどし、最後に洗面器に残った洗浄剤を排水口にゆっくりと流し入れる。

お掃除のコツ

◆ヌメリの発生を抑えるアイテムとして、アルミホイルでつくったボール状の球を2つか3つ排水口ネットに置きましょう。
発生する金属イオンが殺菌作用を促してくれます。

◆塩素系漂白剤では刺激が強い場合、重曹+クエン酸水の合わせ技でヌメリ汚れを撃退できます。重曹は粉末のまま振りかけ、そこにクエン酸水(小さじ1.5:水1カップ)を加えることで発泡作用が生まれ、泡の力で汚れが浮き上がります。

◆塩素系漂白剤と酸性の洗浄剤を一緒に使うことはできません。猛毒である塩素ガスを発生させる危険性があるため、合成洗剤とナチュラル洗剤は分けて使用しましょう。

バスルームの掃除はカビやヌメリ、水あかなど汚れの質が他の部屋とは異なり、手を付けるのが億劫になります。
しかし、それぞれの掃除箇所を見れば清掃手順は簡単なものばかりであり、キレイを取り戻すことで気分も上向きになるでしょう。

バスルームではパッキングというお掃除のワザが非常に役立ち、正しい洗浄剤を選択することで力をかけず、スルリと気持ちの良い汚れ落としが可能となります。

頑固な汚れは洗浄剤につけ込む時間を長めにとり、殺菌や汚れ除去を徹底的に行って、達成感や爽快感のある掃除を身につけましょう。