
生活の中で使用頻度の高い洗面所とトイレは、家族はもちろんのこと来客があった際には、友人やお客様も使用する場所です。
水回りがキレイなお家は、清潔感を印象付けるきっかけにもなります。
人に見られるスペースだからこそ、臭いやごみを残さず、簡単なお手入れ方法で気持ちよく整えていきましょう。
洗面所の掃除方法

洗面所では、髪の毛やせっけんカス、ヌメリ汚れが気になる排水栓だけでなく、洗面ボールや蛇口の裏、洗面台まわりの床など、清掃箇所は意外と多くあるものです。
しかしどの清掃も数分内に終えることができますので、道具と洗浄剤を駆使して効率的にお掃除を進めていきましょう。
洗面所は朝一番に向かう場所なので、特に綺麗にしておきたい場所です。
毎日5分の掃除を継続するだけで、朝のモチベーションのあり方も変わるかもしれません。
日頃のルーティンとして洗面所のお掃除を習慣づけし、清潔感ある気持ちの良い住空間を保ちましょう。

■洗面ボールと蛇口
【道具と洗浄剤】
スポンジ・古歯ブラシ・乾拭き用ぞうきん・マイクロファイバークロス
重曹・クエン酸
効果的なお掃除手順
①洗面ボールはスポンジで全体を水洗いし、特に磨きたいポイントには重曹を振りかける。粉末の重曹を馴染ませるようにして磨き、最後は水で流す。
②水あか汚れにはクエン酸スプレー(クエン酸小さじ1.5:水1カップ)を吹きかけ、乾拭き用ぞうきんで拭き取る。蛇口などのステンレス部分は、マイクロファイバークロスで仕上げ磨きを行うとピカピカに輝く。
③カランのつなぎ目や蛇口の溝に溜まった汚れを古歯ブラシでかき出し、水で洗い流す。
④蛇口の裏は水あかによる結晶が固着している可能性が高いため、クエン酸水を吹きかけスポンジで丁寧にこすり洗いをする。(ブラシやたわしの使用は傷を作る原因となり、傷部分に汚れが入り込むため避けましょう)
お掃除のコツ
◆洗面台では、①白い水あか汚れ②薄茶色のサビ汚れ③ピンク色のカビ汚れが多く見られます。
それぞれの汚れ落としに効果的な洗浄剤は①クエン酸②漂白剤・重曹③重曹・アルコールです。
ヘアピンなどが起因するもらいサビ汚れは、重曹ペースト(重曹大さじ2:水大さじ1)を施すと良いでしょう。

■排水栓
【道具と洗浄剤】
スポンジ・古歯ブラシ・注ぎ口洗いブラシ
塩素系漂白剤
効果的なお掃除手順
①排水栓やヘアキャッチャーを外し、軽い汚れを古歯ブラシでこそぎ落とす。髪の毛や汚れは決して排水口に流さず、ごみとして捨てることで排水口の詰まりを回避する。
②急須やポットの口など細い包部分を洗浄する際に使う”注ぎ口洗いブラシ”を用意する。排水栓の網目にたまる細かな汚れをブラシでこすり落とし、隅々まできれいにする。
③洗浄剤(塩素系漂白剤小さじ1:水500ml)をつくり、殺菌のため排水栓を20秒ほどつけ置き、パーツをもとに戻して余った洗浄液を排水口に流し入れる。
お掃除のコツ
◆排水栓が取り外しできない場合、注ぎ口洗いブラシを使います。様々な角度からブラッシングをするだけでなく、くるくると回してみたり、上下にこすってみたりと動きを増やして汚れを除去していきましょう。
◆ステンレス部分の水あかが気になる場合は、クエン酸スプレーで”くもり”や”うろこ状になった跡”を落とすことができます。

■洗面台まわりの床
【道具と洗浄剤】
フロアモップ・水ぶき用ぞうきん
重曹
効果的なお掃除手順
①皮脂が付着しやすい洗面所の床では、重曹水を適用し汚れを浮かせ除去する。フロアモップに重曹水(重曹小さじ2.5:水1ℓ)をひたした雑巾をセットし、奥から手前、右から左など規則的に雑巾がけを行う。
②四隅にたまるゴミや埃、髪の毛などは雑巾の端をつかってしっかりと取り除く
③歯磨き粉やせっけんカスがこびりついている場合は、重曹水を浸したぞうきんでこすり続けるか、小さなへらでこそぎ落とす。
お掃除のコツ
◆脱衣所では髪の毛や埃が溜まりやすいため、床全体が渇いていることを確認後、一度最初に掃除機でごみを吸い取ってから雑巾がけを行うと作業が楽になります。
◆普段の床掃除では重曹水ではなく、アルコールスプレーを使い手早く簡単に作業を行うだけでも効果的です。念入りに掃除をしたいときに重曹水を活用すると良いでしょう。
洗面所の掃除は全体的に細かな作業を必要としますが、ひとつひとつの工程は短時間で終わるため、毎日の継続が汚れの重症化を防ぎ気持ちの良い水回り環境を
つくりだしてくれる結果に繋がります。
寝る前や帰宅後など5分の掃除習慣が、キレイを持続させる秘訣だと言えるでしょう。
トイレ掃除

臭いや黒ずみなど目に見える汚れが気になるトイレですが、壁や床などに付着する見えない汚れ除去も非常に大切であり、正しい掃除方法で気持ちの良い空間を整えていきましょう。
男性がトイレを使用する際は、1日に数千の水滴が飛び散ると言われており、スリッパの裏やレバー、トイレのフタなど見逃しがちなところもきっちりと対処を行います。
トイレ掃除でポイントとしたい汚れは①尿はね②尿石汚れ③臭いの3点です。
それぞれの汚損に対して除菌効果の高い洗剤を適用し、嫌な汚れを一掃していきましょう。
【尿はね】
<対象箇所>
便座(外側)・床・壁・スリッパ等の小物類
<洗剤>
重曹・クエン酸
尿はね掃除の基本的な対処方法
尿は酸性であり、付着したばかりの尿はね汚れに対してはアルカリ性洗浄剤(重曹)を使用します。
時間が経過した汚れにはクエン酸を使用し、こびりついた汚れはへらで削り落としましょう(ブラシの使用は汚れをまき散らすため避けましょう)。
効果的なお掃除手順
①重曹水スプレー(重曹小さじ1/2:お湯1カップ)を用意し、ぞうきんに吹きかける。
②フタや便座、便器の外側をまんべんなく拭きあげる。
④クエン酸スプレー(クエン酸小さじ1.5:水1カップ)を用意し、ぞうきんに吹きかける。
⑤設置機器や小物類を含め、床・壁など尿が飛び散る場所をぞうきんがけしていく。
腰より下の位置はとくに念入りに行う。
お掃除のコツ
◆床掃除は汚れが軽い上層部分から、汚損が見られる下層部分へと一方向に拭きましょう。床拭きは奥から手前が基本の動きです。
◆ぞうきんの代わりに、トイレットペーパーや流せるシートを使用するとラクに作業ができます
◆便座の裏側部分は黒ずみ汚れが溜まる傾向にあるため、普段目にしない部分もしっかりとクリーニングしていきましょう。
汚損が酷い場合は直接重曹を振りかけて汚れを落とした後に、クエン酸水をスプレーすると消臭効果がもたらされます。

【尿石汚れ】
<対象箇所>
便座(内側)
<洗剤>
重曹・クエン酸・過炭酸ナトリウム
尿石掃除の基本的な対処方法
尿石とは尿に含まれるカルシウムが凝固したこびりつき汚れであり、放置を続ければ汚れ落としが困難な上に、悪臭を放つ汚損です。
重曹を研磨剤代わりに大体の汚れをこすり落とした後は、抗菌作用とアンモニア臭に効くクエン酸を使用することで対処していきましょう。
効果的なお掃除手順
①粉末の重曹を便器内に振りかけ、ブラシで大体の汚れをこすり取る。
②尿石汚れや黒ずみ汚れが現れる便器裏の溝部分に、クエン酸水(クエン酸小さじ1.5:水1カップ)をスプレーし、上からトイレットペーパーを貼り付けてパッキングを行う。
③さらにその上からクエン酸スプレーをし、30分ほど放置する。
④パッキングを外し、トイレットペーパーを流して完了。
お掃除のコツ
◆便器内に見られる黒い輪ジミは雑菌の発生が起因するものであり、過炭酸ナトリウムで一掃することができます。
過炭酸ナトリウム大さじ1を便器内に入れ、その上からトイレットペーパーでパッキングを行います。
約6時間後に水で流せば完了です。
(就寝前に過炭酸ナトリウムを入れ、起床時に流せば効率的)
◆便器内に設置されるシャワーは電源をオフにした後引き出し、
クエン酸水スプレーで掃除をすることで悪臭や汚れを取り除くことができます。

【アンモニア臭】
トイレ内で漂う悪臭の正体は尿石であり、尿石汚れを取り除くことでアンモニア臭の充満を防ぐことができます。汚れと臭いはセットであり、汚れを除去し悪臭を発生させないという仕組みづくりが大切です。
掃除を行わず芳香剤などの香りでごまかそうとすれば、においが混ざり合い結果的に不快感を拭うことはできないでしょう。
アンモニア臭を打ち消すクエン酸をトイレ掃除で有効に活用し、臭いのもとである汚れにフォーカスし、念入りにお手入れをしていきましょう。

Lesson5では水回りにおける掃除方法を学びました。
湿度や気温が関係する水回りでは、汚れの質もカビやヌメリなど厄介なものが多く、手間と時間がかかることで面倒なイメージを抱きやすいものです。
しかし道具と洗浄剤、そして掃除のワザを理解すれば、掃除の工程は短く済むものばかりであり、その上効果は抜群とあって、正しい清掃方法を知っておくだけで時短・簡単・楽な掃除が実現します。
次のLesson6では、リビングや和室などの居住スペースについて、その効果的なお掃除方法を学んでいきます。
家族が集う部屋では、水回りとは異なる汚れが多く存在します。
洗浄剤と道具の意外な使い方をポイントに、気持ちよく汚れ落としを進めていきましょう。