Lesson6-2 寝室掃除

洋室・和室と家庭により部屋の風合いが異なる寝室ですが、休息と安眠を求める大切な場所です。
気持ちの良い空間を維持するためにも、定期的な寝室のお手入れは欠かせません。
掃除を始めるにあたり、まずは他の部屋と同様、窓を開け空気を入れ替えましょう。

寝室はリネンなどで埃が舞いやすいことから、家具や小物類にはきちんとハンディモップをかけ、チリやごみを落とすところからスタートしていきます。

ベッドと布団

ご家庭でお使いの寝具はベッドと布団のどちらでしょうか。

どちらも適切なお手入れを要しますが、マットレス・布団どちらにも大切なことは、乾燥をさせ湿気を飛ばすことです。
寝汗を含んだ寝具は、風通しの良い場所や日光が当たる場所で、素材に合わせた対応をしていきましょう。

■ベッド

布団のように竿や手すりにかけて天日干しができないマットレスですが、湿気が溜まり続けるとカビやダニの温床となり、健康被害がでることも考えられます。

マットレスは定期的に立て掛け、風を通す対策を施しましょう。

本など厚みのあるものをベッド枠とマットレスの間に挟み、空気の通り道をつくることも効果的です。

効果的なお掃除手順

①繊維やベッド枠の隙間に入り込んだ髪の毛や埃、ごみを除去するために掃除機をゆっくりかける。5分を目安に、掃除機を縦横往復させ、キルティングの縫い目やくぼみなども意識しつつ念入りに行う。
②丸洗いができないマットレスは、重曹で皮脂汚れや臭い消し対策をする。汚れを中和・分解させるため粉末状の重曹を振りかけ、1時間程度放置。その後掃除機で丁寧に吸い取る。

お掃除のコツ

◆マットレスは表面だけでなく裏面も同様の手順で行いましょう。

◆布団乾燥機がある場合は、50℃以上の熱でダニを死滅させる事ができるためより効果的です。

■布団

布団を天日干しする際に、埃や花粉を払うため布団たたきで強く叩くという作業が有りますが、実はやってはいけない行動です。

たたきを使用すると、中綿や繊維質がちぎれ、埃がより出やすくなるため、表面を軽く手で払う程度に抑えましょう。
また、布団それぞれの材質に合ったお手入れ方法に注目し、寝具の寿命を長く保ちましょう。

効果的なお掃除手順

①天気がよく乾燥した日は布団干しにベストな環境であり、午前10時から午後3時までの間は湿度が低く天日干しに適している。そのため”天候+干す時間帯”を意識する。
②布団を入れる際は布団たたきを使用せず手で軽く表面を払い、埃や花粉が気になる場合は裏表両面に掃除機をかける。ノズル部分にストッキングを被せ、輪ゴムで固定しながら掃除機掛けをすれば、布が吸い込まれることなくラクに作業ができる。

お掃除のコツ

羽毛布団は長時間日光に当て続けると素材が傷むため、カバーを装着し陰干しをしましょう。

羊毛布団は週に1回程度、片面2時間を目安に天日干しを行います。虫が湧きやすいといったデメリットは、湿気をしっかりと取ることで備えましょう。

綿・合繊布団は湿気の少ない場所に保管し、週に1~2回程度片面2時間を目安に天日干しを行います。

クローゼット

洋服やカバン、その他多くの物を収納するクローゼットは、湿気と埃が溜まりやすく「気づいた時にはカビが発生していた」というトラブルは珍しい話ではありません。

通気性を維持し、適度に掃除をするためのポイントを学んでいきましょう。
月に1度のお掃除を実行するだけで、収納空間の清潔を保つことができます。

効果的なお掃除手順

①中の衣類や引き出しを一度全て外に出し、お手入れがしやすい状態をつくる。
②カビの発生を抑制するため、除菌用アルコールを乾拭きぞうきんに吹きかけ平面全てを拭いていく。上から下、奥から手前と規則的に拭き掃除を行う。
③拭き終えたら1時間程度乾かし、完全に水気を飛ばしてから衣類を収納する。

お掃除のコツ

◆きちんと閉めておきたいクローゼットですが、通気性を良くするためにも普段から数十センチ隙間を開けておくと換気ができるため防カビ対策になります。

◆押し入れは構造上、奥に行くにつれ湿気が溜まりやすいため、定期的に衣類や物の入れ替えを行うと防カビや嫌な臭いを防ぐことができます。

◆アルコールで中を拭く際は、必ず乾いたぞうきんを使用しましょう。濡れぞうきんを使用するとカビの発生を促進させ、材質を傷める恐れがあります。

プロ直伝のお役立ち掃除術

【その1】リンス水で埃の付着防止

リンスに含まれるアニオン界面活性剤が静電気の発生を抑制し、インテリアや家電に埃が付着するのを防ぎます。

①ぬるま湯500ml:リンス(もしくは洗濯用柔軟剤)1プッシュを用意する。
②よく混ぜたらタオルを浸し、しっかりとしぼった後にインテリアや家電を拭く。

【その2】ふすまや敷居の溝に溜まるゴミを簡単除去

開け閉めするたびに溜まるふすまや敷居のごみは、輪ゴム数本で解決する。

①ごみが溜まった溝部分に輪ゴムを2~3本置き、輪ゴムを踏むように戸を左右に動かす。
②輪ゴムにごみが絡んでいることを確認し除去する。

【その3】シール跡は柑橘系の皮で対処

テーブルやいすなど家具・家電に残ってしまったシール跡は、接着剤を溶かす作用のある柑橘系の皮を利用し取り除きます。
皮に含まれるD-リモネンは、シールはがしの溶解液として市販される洗浄剤にも含まれる天然成分です。

①ミカンやレモンなど柑橘系の皮を用意し、シール跡が残るポイントを皮でこする。
②徐々に接着面が剥がれてくるのを確認し、最後はティッシュペーパーなどで拭き取る。