
お掃除起業に興味を抱いたら多くの方が最初に気になる点は、事業を起こすにあたり何が必要なのか、どのような方法で集客をするのか、といったところではないでしょうか。
こちらのページでは、クリーニング業への参入を決めた後に、準備しておくべきことをまとめて学んでいきます。
事務所の有無、雇用する人数など、ビジネスとして清掃業を継続するためのノウハウや知識について、理解を深めていきましょう。
お掃除起業に誰もが参入できる理由

希望する会社に勤めるためには、試験や面接を通過しなければなりません。
その際に注目されるのは、学歴やこれまでの業績、成果といったところであり、業種によっては、自身の経歴では取り合ってくれないケースもあります。
一方で掃除を仕事にする際に必要なのは、掃除の技術を磨くことに尽きるため、
それまでの経歴や社会人経験などに関わらず、まさに腕一本で稼げる業界だと言えます。
女性の進出が目覚ましい今日、社会で奮闘する女性の数が増加傾向にあることから、家事代行を女性のお掃除プロに依頼する方々も大勢います。
そうした時に、主婦の間に培った清掃スキルを活かし、お掃除プロとして活躍する子育てママの存在も目立つことから、女性からの業界の人気を高めているという実態があります。
また、人気の理由は報酬の多さにもヒントがあります。
実力をつけたお掃除プロはリピーターの数も多く、技術やサービスで信頼を勝ち取ることで、仕事が自然と舞い込む仕組みができることがクリーニング業界の大きな特徴です。
自宅に見知らぬ人を招き入れて掃除を頼むという行動は、相手を信頼しなければできない依頼であり、一度満足のいくサービス提供ができれば、次回からは指名されて呼ばれるケースが多いのです。
起業に必要なものとは

掃除で起業を考えた時に必要なものは、基本的に”自分のからだ”ひとつだけです。
事務所を構えたり人を雇ったりする必要はなく、その他作業で使用する道具を揃えれば、すぐにでもスタートを切ることができます。
清掃業はサービス業であり、物の売買が行われることがなく在庫や倉庫を抱える必要が無い点は、最も大きなメリットです。
自分の身ひとつでお客様のご自宅に赴き、技術で勝負する仕事であるため、起業に必要な最低限のものはまずは掃除の技術なのです。
清掃業を生業とする会社に着目した時、企業側が大きく負担をするのは人件費です。
個人がクリーニング業で仕事を行うにあたり、起業の初期段階で人件費をかける人材はいないため、報酬などの成果に加え、顧客満足も失敗も全ては自己責任の上に成り立ちます。
掃除を依頼されるお客様はご高齢の方も多数いらっしゃることから、話に耳を傾け、ときおり相づちを打つなど、ご依頼者様に親身になる姿勢が満足のいくサービスに大きく直結します。
コミュニケーションスキルや傾聴力といった人間性も事業の成功を掴む上で大切なスキルなのです。
リピ―ターとなる方からの依頼は、”この人だからお願いしたい”という信頼と頼りの証です。
掃除スキルの他に人としての魅力も要因としてある点は、必ず理解しておきたいポイントです。
掃除道具を揃える

掃除のプロが揃える清掃道具は様々ありますが、自分が使いやすく確実に汚れ落としが可能な用具を用意しましょう。
また、サービスの売り方にこだわりがある人は、自己流スタイルに即した道具や洗浄剤を準備し、他社との差別化を図っていきましょう。
例えば化学薬品を使わずナチュラル洗剤にこだわるお清掃プロであれば、天然由来の洗剤に特化し、安全性やクリーンなイメージを思わせる印象作りを行うなど話題性に富むスタイルを構築していきます。
こうした戦略は、ハウスクリーニングという専門性に加え、自分の仕事スタイルを確立することで競合他社との違いが強調されるだけでなく、口コミで拡散されやすいといったところも利点です。
掃除に必要となる基本的な道具だけではなく、自社のPRとなるような清掃用具(エプロン掃除かばん・掃除ポシェットなど)の用意があると風格も現れ、お客様に印象付ける事ができるでしょう。

【役立つ掃除道具】
・ガラススクレイパー
ヘラのような形状をしており、ガラスや家具に固着した頑固な汚れを剥がしとる際に使います。
除去に時間のかかるシール跡の掃除にも役立ち、一挙両得な工具です。

・ミニスクレイパー
こびりついた汚れを削り落とし、シール跡など粘着性のあるものもこそげ落とすことができます。
スクレイパーに布を巻き付けサッシなどの細い隙間で使用すれば拭き掃除にも活用できます。

・茶パット
硬いスポンジであり、はく離を目的に使用します。
五徳や排水口などこびりつき汚れや酷い汚損を確認した際に役立ちます。
頑固汚れは汚れ落としに時間がかかるため、茶パットの活用で時間短縮を狙います。
参考商品 スコッチ・ブライト™ グリドルパッドホルダー
・ダイヤパッド
お掃除プロが愛用するダイヤパッドは、鏡を掃除する際に活用するアイテムです。
特殊加工が施された人工ダイヤモンドで鏡を磨けば、その瞬間に水あか汚れやこびりつきが除去できる優れものです。
・食品用ラップフィルム(サランラップなど)
水回りの汚れ落としに役立つサランラップは、根深いカビ菌を除去する際や水あか汚れをパッキングする際のマストアイテムです。

・掃除用ブラシ
多様な大きさがある掃除ブラシですが、サッシなどの隙間や溝に溜まるゴミをかき出すことのできる小さめのものを用意しておくと、あらゆる場面で応用が利くため便利です。

・養生シート
お客様の家財や自宅を汚したり破損しないよう、養生シートの持参は必須です。
また掃除道具を入れたカバンなどは、床に直置きをすることなく養生シートの上に置くなど配慮をしましょう。

・ペール
部品のつけ置きやエアコンから出る汚水を溜める際に役立つアイテムです。
用途はバケツと同じであり、状況により様々使えます。
洗浄剤をつくったり、お湯を溜めるなど用途が多様にあるため複数個用意しておきましょう。

家事代行を仕事にする際の注意点

家事代行は非常に配慮を払う仕事です。
依頼者様のご自宅に上がり、お客様の私財に触れ、あらゆる面で気を配りながら作業を行います。
物の破損や失敗をしてしまうと迷惑をかける結果となり、事業の継続も急転する可能性があります。
起業前には、仕事の注意点を理解しスタートを切っていきましょう。
注意点その1 家庭に入る時のマナー
お掃除プロに共通していることは、身なりをきちんと整えていることです。
また笑顔と気持ちの良いあいさつで、清潔感だけでなく、人柄の良さや安心感を抱かせる印象への意識を高く持っています。
「作業後は汚れるし、つなぎや汚れが付着した服でかまわない」
そう思い、着衣に気配りをしなければ次の依頼はないでしょう。
人は第一印象によって相手のイメージを膨らませ、最初に受けた印象はその後も記憶として強く残ります。
清掃着・靴下・髪型・髭・爪・化粧・香水など、自分の身なりに清潔感やきちんと感が出ているか確認し、身だしなみを整えてから仕事場に向かいましょう。
注意点その2 掃除は自己流で行わない
実際にお客様のご自宅で掃除を行う際には、汚れだけでなく時間との戦いでもあります。
効率的かつ確実に業務を遂行する必要がある仕事だからこそ、着実に成果の上がる汚れ落としで、パフォーマンスを上げていかなければなりません。
度々、自己流の清掃方法を模索し実践する方も見られますが、仕事効率は落ち、成果も芳しいものではないことが多くあります。
Lesson4でも学んだように、掃除とは科学であり、物質の性質を理解し正しい洗剤と道具をあてがうことが大切であるということを忘れないようにしましょう。
起業の際には自己スタイルを確立するのではなく、まずは成功している同業者などを参考にし、仕事の出来栄えや時間配分など実体験を踏まえた上で、自分にとって確実でやり易い方法を見つけていきましょう。